図1に本研究で対象とするコミュニケーション系の枠組と研究課題を示す。情報の送り手
Aliceが情報をメディア表現(音声、映像など)し、物理・サイバーチャネルを通して受け手
Bobに送るものとする。このとき、悪意を持った送り手
Eveが存在し、
Aliceのプライバシー情報や生体情報、並びに
Aliceが位置する世界の情報(環境情報と呼ぶ)を取得し、
Alice由来のものではないフェイク情報を作成する。そして、フェイク情報に基づき
Alice由来の真正メディアに限りなく近いメディアクローンが作成され、
Eveから
Bobへ攻撃がなされる。
このようなメディアクローン攻撃を防御しうるコミュニケーション系の実現を図るために、
以下の5つの研究課題(図1参照)に分けて研究開発を進める。
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(A)
フェイク情報化防止のために、生体情報、プライバシー情報、およ
び環境情報の保護手法を確立する。
(B)
フェイク情報を起源とするメディアクローン生成法の実現可能性を実験的に検証する。音声、画像、映像、文書、ソーシャルメ
ディアなどを対象とし、個人適応型のメディア生成という統一的枠組で考察する。
(C)
メディアクローン攻撃の防御シールドをメディアクローンの認識により構成する。特に生体特徴に起因するライブネスの解析に
着目する。
(D)
送り手・受け手の種々の状況を想定したコミュニケーション系をモデル化する。
(E)
構成要素、全体システムを実証実験により評価する。
併せてテスト用データベースを作成し、順次、公開する。